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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第13章 ~花嫁の苦悩~
神聖な大聖堂にルカの嘆息が洩れる。
「レオ。講義はもういいのか?」
執事長もこの状況に苦笑しながら返事をする。
「帰ろサク」
ルカはサクナの手を引き長い身廊を歩き出す。
なれないドレス、高いヒール。震える躯。
ルカについて行こうとするも、おぼつかない足取りでよろけそうになる。
「…………抱き上げれもしない」
骨組みされたクリノリンは、ドレスをふんわりと華やかで愛らしく見せるも、抱きかかえるにはやや不便。
ルカはゆっくりとした歩調でボヤきながら大聖堂を後にする。