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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第13章 ~花嫁の苦悩~
甘いルカの香り…………
惑いの心が落ち着いてくる。
昂った気がおさまると、ルカ以外の男性に触れられたことの嫌悪感。気を付けろと警告されてたのに、その意味をわからずにいた自分の情けなさ。
自責の念で心が痛む。
「…………ごめんルカ」
サクナは、おずおずとルカの首に腕を回ししがみつく。
「サクが謝ることはない…………」
「怒ってないの……?」
「怒ってないよ」
声は普通、むしろ…………冷静。
確かに怒ってはないように見える、だが、何かいつもと違う。