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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第13章 ~花嫁の苦悩~
「サクがあんな目に合ったのに、どうして冷たくできる。優しくするなって言われても……」
「なら、キスしてくれればいいのに」
「や……だから、それは……わかってくれよ。そんな無神経なこと出来るわけないだろ」
悔しくも、わかってしまう。
ルカはそういう人なのだと…………
サクナを大切に想う、ルカの優しさ。
普段、何でもないときは無理強いするくせに。
無神経なのは自分の方なんだ。
「…………なら、湯浴みしたらキスしてくれる?」
「そんなに…………って、サク、怒ってないのか?」
「何で、私が怒るのよ」
「あんな目に合わされて、普通怒るだろ」
確かに…………サクナは怒っていた。
だが、いつの間にかそんな事はどうでもよくて、ルカが気持ちに応えてくれない事が悲しくて、その事で頭がいっぱいになっていた。