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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第13章 ~花嫁の苦悩~
いつしか個室に甘い空気が流れだす。
膝をついたルカはサクナより当然下の位置にいる。
待てど暮らせど、サクナが口づけをしなければ、合わさることのない位置だ。
ジッーと、上目遣いでサクナを見つめてる。
サクナはコクンっと息を呑みルカの肩に手を置き、顔を斜めにしてルカの唇に触れた。
「……っきゃ!」
とたん、ルカはサクナの腰を掴み、その場にしゃがませ、サクナのおでこにコツンと自身のおでこをつけた。
「ごめんなサク。お前を泣かせたのは俺だったんだ…………ごめん」
「もういいよ……ルカ、謝ってばかり、本当は私が悪いのに」
「お前こそ、俺に優しすぎる…………理性利かなくなりそうだ」
好きな人との距離、触れそうな唇。
今は、それがもどかしい。