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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第13章  ~花嫁の苦悩~

 
 王宮の湯処は、温泉の源泉が通っていていつでも入れる。

 ここは陛下専用で、大浴場ほど広くはない。

 それでもそれなりの広さがあり、中は湯気で暑くなっている。


 サクナも一人で何度か入った事はあるものの、ルカと一緒に湯処に入るのは初めてだった。



「お湯かけるよ」


 サクナは少し緊張気味にルカにお湯をかける。

 サラサラの猫っ毛の柔らかなルカの髪は、しとど濡れ、サクナは手で泡立てたものをルカの頭につけ指の腹でシコシコと指圧するように洗う。

 

 ────なんかすごくいい……

 それは快感とは違う心の高揚感。

 好きな人に奉仕する喜び、サクナの求めていたものはこれだっと心が弾んでくる。

 綺麗なブロンドの髪を傷めないように、優しく洗い頭皮を和らげるように指圧する。


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