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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第13章 ~花嫁の苦悩~
「じゃあ、今度は俺が洗ってあげる」
「え、後でいいよ。先にからだを洗ってあげる」
「いいから、はい」
と、サクナはルカを背にして、バスチェアに座りルカに髪を洗ってもらう。
頭皮を指圧するように指の腹で揉み込まれ、それがかなり気持ちよかった。
「お湯流すよ」
ちゃぽんと湯のはねる音をさせ泡をおとしてゆく。
「サク、からだ触るよ」
触る? 洗うじゃなくて?
後ろからルカは手をのばしニュルっとしたものが躯にまとわりついた。
首筋を滑るようにニュルニュルと肩まで這わせ、また首から方へとルカは手のひらで滑らす。
「な、なに!?」
「ん? マッサージオイル、サク使ったことないの?」
サクナは振り向き、ルカを見ながら首を横に振る。
「そうか、サクはひとりでしか湯浴みしたことないもんな」
突っ込みを入れるべきなのか。
つまりは、ルカはひとりで湯浴みをしないと言うことなのだろう。
陛下だし、当然と言えばそうなのだが。
本来なら、サクナも侍女に湯浴みをしてもらう立場である。が、サクナはひとりで湯浴みをするほうが落ち着くので断った。