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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第13章  ~花嫁の苦悩~
 

 ずしっと腰に響く熱くなる悦に、サクナはルカの躯にしがみつくもその手がつるりと滑り、必死にしがみつく。

 口づけを交わしながらルカも抱きしめる。

 互いに背中を手でヌルヌルと這わせながら、ぬちゃぬちゃと舌を絡め合う。


 湯殿の壁に響く淫らな水音。

 サクナの甘い声も反響され、ますます官能を煽られる。


「こんな事、したことないよね……」

 サクナは感じたせいか、ルカのせいか、目尻を滲ませルカを見る。

「するわけ無いだろ、レオ相手に」

「執事長……?」

 サクナは首を傾げた。

「じゃあ、ルカは執事長と湯浴みしてるの?」

「俺も湯浴みはひとりでしてる。まあ、子供の頃は侍女に入れられてたけど」

 子供の時…………

「もう……それなら、そうと」

「ごめん、俺もヴィストのこととやかく言えないよな、だってサク可愛んだもん」

 と、悟りを開いたルカはどこへやら。


 揶揄のが趣味な一族なのだろうか…………
 

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