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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第14章 ~それぞれの幸せのかたち~
サクナの目の前、宙に小さな粒子がキラキラと輝いて見える。
その粒子は小さな塊となり湯の中へ落ちてゆく。
その不思議な光景にサクナは目を奪われた。
まるで星の輝きを目の前で見てるかのよう、熱かった湯は次第にぬるま湯程度になる。
「術使ったの?」
「ああ、少しだけ涼しくなっただろ?」
「術の無駄遣いじゃない?」
術はエネルギーの消耗、更には熱を発症させる。涼しくなるためにルカはより躯を熱くさせた。
「サクの熱が冷めるから無駄じゃないよ。もう少しお前とこうしてたい」
「ルカは……だいじょうぶなの?」
「……言うなれば、俺は最初からだいじょうぶじゃない。だから平気」
「何だかんだ言ってルカって我慢強いよね」