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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第14章  ~それぞれの幸せのかたち~

「困った……な」

 ルカはサクナを背後からギュッと抱きしめ、肩口に顎をのせため息を洩らす。

 熱くなった躯は胸を高鳴らせる。
 ずっと蓄積してきた疼きが開放されたく、さらに下腹部を熱くさせる。


「……ルカ」

「お前の声訊いたら、もっと訊きたくなった」

 それが何を意味してるかはサクナもわかる。
 サクナもルカと同じ気持ちだから。


「……でも、もう少しこのままお前と湯浴みしたい気持ちもある」

「ルカも一緒に湯浴みしたかったんだ」

「まあね、かなり余裕ないけど……今日のサクは大胆だから困った」


 サクナも自分で驚くほどルカとの湯浴みは、不思議と恥ずかしくなかった。


 何かしてあげたい。
 その気持ちが強かった事もあるが、やはりルカに拒絶された事が大きかったのかも知れない。


 湯浴みは肌のふれあい、それは情事よりもたくさん感じた。

 
「うん……初めてだからちょっと気が高揚しすぎたかも」

「だな、俺も……でも、嬉しいよサク。俺がしたい事とサクが望むことが同じになる……お前は、俺の望みを知らず知らず色々叶えてくれる」


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