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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第14章 ~それぞれの幸せのかたち~
「して欲しいことあるの? 言ってくれればいいのに」
「うん、でもさ。して欲しい事を不意にしてくれるのもいいかもと思うと黙っていたくなる」
「そっか……」
何かしてあげたい、その想いだけが先走り何をしていいかよくわからない。
ルカは陛下で政や国のことはサクナには良く分からない。口出しする事でもない。
深く考えすぎだったのかも知れないとサクナは思った。
自分が嬉しいこともルカの喜びになることもある、それを考えるのもまた楽しみの一つとなる。
よかれと思ったことが裏目に出ることもあるだろう。でも、そうやって相手を想う気持ちを分かり合えてゆくのも大切なこと。
王宮の暮らしはいまだ良く分からない事が多い。
それでもサクナはルカと家族になる。
いろんな事を分かち合えたらいいな、としみじみに思う。