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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第14章 ~それぞれの幸せのかたち~
ルカはいつもサクナが達するのに合わせ一緒にいってくれる。その頂点をともにする悦楽はなんとも言えぬ幸福をもたらしてくれる。
だけど、最初に一緒にいったきりルカは一度もその欲望を吐きだしていない。
女性と違い男性は何度もすぐに果てるものではないのはサクナとて知っている。
でも、幾度となく繋がり愛し合ってきたルカのことはわかるつもりだ。
キラキラと瞳を眩く輝かせるルカは穏やかにも見える。うっすらと口角の端をあげその表情は天使の微笑み。
悟りを開いた時とは違がい熱い視線は感じる。
腕枕をしてくれ、その手のひらはすっかり乾いてしまったサクナの髪を梳かしながら撫でている。
だが、サクナの内部にはいまだその欲望を保ったまま、ドクドクと脈を巡らせ今かと放たれるのを待つほど張りさせそうな彼自身が隠されている。
だからこそ、辛くないのかとサクナは尋ねた。