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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第14章 ~それぞれの幸せのかたち~
「本能とは違うかもしれないけどさ、じっくりとサクの中を堪能するのはある意味激しく求めるより貪欲な気がする」
サクナはルカの気持ちがわかる。
激しく求め合うのは、むしろわかり易い。
一心不乱に何も考えずにただ本能に赴くままその精を受けようとする。得るのは強い快感、その先にある熱い吐精を受け幸せに満ちる。
けど、じっくりとお互いを感じながら、深い快楽を得るのは激しく穿ちあうより欲情に貪欲なこと。
「理屈じゃないのかも。こんなこと言ったらもともこうもないけど、ルカとならきっとどんな行為でも最終的には満足しちゃうんじゃないかな」
寝るだけの広い部屋、家具は部屋の中央にあるふたりが寄り添う大きなベッド。その傍らに卓があるのみ。
陛下の部屋としては殺風景。
それが、広い大海原のなか快楽と言う名の深海に転覆しそうな危うい船のように思える。
その深い快楽がこわかった。
でも、その船にはルカと一緒に乗っていたんだとサクナは思った。
溺れてもきっと…………助けてくれる。
それとも、一緒に溺れて深海をさ迷うか……
それはわからないが、でも、ルカと一緒ならだいじょうぶ────