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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第15章 誕生祭 ~舞踏会の華たち~ (前編)
「起きて……サク」
「んぅ……もぅ、少し……」
「困ったな……じゃあ、勝手に触っちゃうぞ?」
まぶたがやけに重く、まだ眠たい。
そのとなりで甘い声で甘えてくる陛下。
「ふぅ……っ、んぅ……やだ……っ」
「なら起きてよサク……」
「ダメ……もう少しだけ……寝かせて……」
寝起きはさほど悪くないサクナだがその日はやけに眠たかった。夜明けとともに寝たばかりだからだろうか。
その割には、あいも変わらず元気なルカは、サクナのふくよかな胸に手をあてやわやわと揉みしごく。
「……あれ? 本当に眠いの……?」
「ん……」
意識を半ば、サクナは小さく頷く。
「しょうがないな……って、サクなんか躯熱くないか?」
「ん……よく、わかん……ない」
コツンっと、ルカはおでことおでこをくっつける。
「…………少し、熱い……サク、躯は? どこか悪いところないか?」
甘い声から一点、ルカは少しそわそわした落ち着きのない声になった。