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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第15章  誕生祭 ~舞踏会の華たち~ (前編)


 正直言えばだるい。
 でも、それはいつものことだった。

「別に……眠いからかな……?」

「大変っ! サク、腕いい……」

 ルカは腕枕をしているサクナの頭を枕に沈め、少しはだけた寝衣を整え上掛けをかぶせる。

「寝ててサク、すぐ戻ってくるから」

「ん……」

 ルカの側で寝ていたかったが、虚ろな意識はすぐにまぶたを閉じさせ、再び眠りに落ちた。




 それからどれくらいたったのか。
 サクナが再びまぶたを開けた時には、ベッドで一人で寝ていた。

 オデコにはひんやりと心地よい冷たい感覚、躯がやけに熱いせいかよりそう感じた。


 ピクっと手を握りしめられてる感覚が伝わってくる。ほんのり熱を感じる、温度とゆうより暖かで安心するような心地よさ。


「あ、サク……目、覚めた?」

「…………ルカ? どうしてそこにいるの?」

 横を向いた瞬間、オデコに置かれていた真っ白なコットンタオルが落ちた。

 落ちたコットンタオルが宙を浮く、サクナが顔をそちらに向けると兄のケイルがいた。

「あ……兄様、いたの」


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