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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第15章 誕生祭 ~舞踏会の華たち~ (前編)
「でも、躯が汗で気持ち悪いよ……」
「ん、躯を拭くのはこっちのタオル」
ルカは慣れた手つきでサクナの首元を拭いてくれた。
────こんなふうにいつもやってくれてるのだろうか。
そう思うと少し恥ずかしくもある。
ルカはガウンの帯紐を解き、脱がしてくれた。
かなり涼しくなり気持ちいいぐらいだ。
サクナはやはりルカの早とちりだと思った。
「…………ハァっ、すごい汗かいてる……ケイルあっち向いて」
「ん? ああ……」
しゅるると、ナイトドレスを脱がしサクナは上半身だけ裸にされてしまう。
「寒くない?」
「ん……むしろ、涼しい」
「……熱は? 躯だるくない?」
ルカは心配げに表情を沈ませサクナの躯を拭いてくれる。
「うん……いつもどおりだけど」
「んー、熱は下がったかな? 冷やしてたから良くわかんないな」
ぴとっとオデコをくっつけられ、むしろその距離にドキドキする。体調悪いならこんな気にならないと思うが……