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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第2章 ~愛してるって言って?~
嫉妬────してる。
ルカは陛下だとわかっているのに、ここで嫉妬しても仕方ない。
たとえ、王妃であろうと婚約者であっても国王を独占することなど出来ない。
むしろ。皆に愛される陛下を喜ばしく思うべきなのに。陛下に見合う淑女を目指すサクナはその気持ちを抑える。
「ん? どうしたサク?」
「別に…………」
「もしかしてキスしたこと怒ってる?」
「怒らないよ挨拶みたいなもんでしょ」
サクナは自分に言い聞かすように言う。
────そう、アレは挨拶…………特別な想いがあるわけじゃない。