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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第15章  誕生祭 ~舞踏会の華たち~ (前編)

「ルカ本当にだいじょうぶだから。それに、祭壇にいかなきゃ」

 祈り姫の日課は毎日森の高台にある祭壇にて、星に寄生するヴァミンの邪気を祓う祈りをするのが役目である。

「体調悪いときぐらい休めよ……」

「別に無理して言ってるわけじゃないんだけど」

「どっちにしてもまだ、だいじょうぶだから。いつもはイチャイチャしてる時間だし」

 ルカはチュッと腿に口づけをし、流し目でサクナを見る。

 ドキリッと胸を高鳴らせた。
 体調が悪いなら……欲情なんてしないと思う。


「だから、もう少しゆっくり寝てていいからナイトドレスに着替えよ」

「二度でまになると思う……上衣羽織るだけでいいよ」

「頑固だなサクは……今日は舞踏会もあるんだぞ? これから一週間ゆっくりする暇なんてなくなる、休めるときに休んどかなきゃ」




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