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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第15章 誕生祭 ~舞踏会の華たち~ (前編)
結局、ルカに言われるままナイトドレスに身を包み、ヒンヤリとしたタオルをオデコにのせ再びベッドに寝かされてしまう。
ベッドの傍らでルカはサクナの手を握りジッと見つめている。
「サクの手柔らかくてすごく暖かい。本当に体調悪くないの?」
「申し訳ないぐらいに…………」
「んー、そっか……眠気は?」
「全然ない」
さっきは眠くて仕方なかった。
そして、ルカの言う香りの乱れとやら、そのせいでルカは心配してしまったのかも知れない。
いつもより躯が僅かに熱いというが夏だし。
むしろ汗をかきルカに拭いてもらったおかげでサッパリと心地よいぐらいだ。
サクナもジッーとルカを見る。
バタバタしたせいで今日はまだ口づけもしてない。
────キスしたいな…………
でも、自分でも気づかないだけで風邪のひき始めだとしたらルカにうつす恐れがある。
流石にこんなに心配してくれてるルカにそんなことは出来ないと自粛する。