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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第15章 誕生祭 ~舞踏会の華たち~ (前編)
バスローブを外されシュミーズをユイナは着せた。その上にサマーシャワ色のドレスを身につけてゆく。
「あれ? コルセットは?」
「陛下からコルセットは不要だと申し使いました。初めての舞踏会で姫様が緊張されるでしょうから動きやすいようにと」
ドレスを着るうえでコルセットはかなり重要。
躯を美しくエレガントに見せるための下着で、腰回りを細く見せ胸を大きくふくよかに見せてくれる。
サクナはこれまでドレスを着る時は常にコルセットを締め付けられていた。
「姫様は、令嬢の方々と違い筋肉がついてますからコルセットがなくても充分スタイルが宜しいですから」
この王宮ないでは筋肉のついた娘は祈り姫ぐらいな者。せわしなく毎日働く侍女よりもサクナは力がある。
王宮の女性としてはそれを魅力と呼ばないところが欠点ではあるが。
「姫様、これはわたしの独り言だと思って訊いてください」
ユイナは普段からあまり表情豊かな方ではないが、いつになく真面目な顔付きをした。