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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第15章 誕生祭 ~舞踏会の華たち~ (前編)
「代々、王妃様は祈り姫様と仲がよろしく、相談相手になられておいでました。姫様にはその相手がいらっしゃりませんから……」
その祈り姫が陛下の妃となるのだから当然のことではある。
「姫様、わたしでよろしければ愚痴を仰って下さい」
ユイナはミモリの跡を継ぎ、執事長補佐官となることになった。
サクナが今後もっとも世話になる相手である。
補佐官であるミモリのことはルカもサクナが王宮に仕えるまえから知っていた。サクナの世話係としてユイナを選んだのはルカ。
その先を見越しての事だったのだろう。
あまり感情を表に出さぬその性格はやや兄のケイルに似たところもある。
遠慮なく、ズケズケとものを言うユイナに最初は嫌われているのかと思っていたが、どうやらそういう性分なんだろ。
ユイナが自分に対しそう思ってくれる事がサクナは嬉しかった。