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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第15章  誕生祭 ~舞踏会の華たち~ (前編)


「そんなわけないだろ……お前にはいいところはたくさんある。特に可愛らしいところは俺を困らせる」

「大事な話ってソレ?」

 サクナは返答に困り少し照れくさそうに言った。

「ある意味大事なことだけどな。それ以上可愛くなられたら困るからな」

「話す気あるの?」

「…………相変わらずだなサクは」

 フッと微笑むルカを見て、本当に大事な話なのか些か疑問に思い始めた頃。

 それは、思いもよらぬ話となった。



「コスモ国とは八年間和平を結んでるわけだが、それは名ばかりで互いに干渉しないと同じ意味なんだ。俺は今でもコスモ国の事を信用してない」


 コスモ国の侵入を防ぐ為にリキマシア国は外壁に囲まれていて現在は他国の者を受け入れていない独立国だった。



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