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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第15章 誕生祭 ~舞踏会の華たち~ (前編)
「お前を手放すつもりはない。コスモ国に渡すつもりもない……」
「私だって嫌だよ…………」
ルカはサクナをギュッと抱きしめた。
例えそれが個人のわがままと罵られようと、絶対に嫌だ────
「八年前、お前の村を襲ったのはサクを奪うためだ。セシュルドを誘き寄せるためでもない、だから俺は力を示してコスモ国と和平を結んだ。お前を守るためだけに」
コスモ国を牽制する為に作られた外壁はリキマシア国の平和をもたらした象徴。
結果、リキマシア国は独立国となった。
「…………そうだったんだ……」
「コスモ国は祈り姫に手が出せなくなった、だが今回そのチャンスとお前を奪うのが目的としか思えない」
勿論、コスモ国は和平を望んでいる。
そんなことはないと否定するだろう。
それをルカは信用していないと言う。
「コスモ国は今や星の中心だ、祈り姫を手に入れれば……星の終わりだ」
コスモ国の文明、進化。
戦争だけの事を言ってるわけではない。