この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第15章 誕生祭 ~舞踏会の華たち~ (前編)
「ねぇ、ルカ。その話は前からあったの?」
「ああ、婚礼の準備が始まって少したったぐらいだったかな。その時は断ってそれで解決したと思っていた」
しかし、最近になり今度はコスモ国だけではなく諸国の王たちも同じように言い出した。
「どうして今頃?」
「そこなんだよな。日にちが迫って断りきれない状況を作ったか……もしくは、他に目的があるのか」
挙式まであと一週間。
本日はその開会式とも呼べる大きな舞踏会が開かれる日。本来なら諸国の王も招待し盛大に行われる。
しかしリキマシア国内の王族たちは集まるものの他国の王たちは参加しない。
挙式に参列したいのであれば舞踏会から参加するものだとルカは言う。
だからこそ余計に疑心を抱いてしまうのだと。
「ルカはどうするの?」
「コスモ国は規制する。国王自体が信用ならないからな。だが他の国はそうもいかない、昔から付き合いのあった国もあるし」
秘密裏にコスモ国と手を組んでいる可能性を否定できない。
「お前を護るだけなら容易い。傍に居ればいいだけだ。敵が来るとわかってるならそれなりに対処出来る」
サクナはコクっと頷く。
しかし、ルカは深刻な表情を浮かべていた。
もし、懸念していた事が事実となれば少なくとも互いに無傷ではいられないだろう。