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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第15章 誕生祭 ~舞踏会の華たち~ (前編)
「……サク、俺、後悔をするつもりはない。無いけど少し反省した。こんなにも心配になるなら三ヶ月我慢すれば良かった……って」
「……ルカ、望んだのは私も同じだから」
「うん……だから、反省してるけど……ありがとうって言わせて」
心配症のルカの事だから本当はすごく気にしてるのかも知れない。
後悔をするつもりはない。
だけど…………反省した。その言葉の意味はサクナもすぐにわかった。
後悔してしまったら望んだ事を否定してしまうから。だから、ルカは言葉を選びそう言ったのだと。
「本当は確実に懐妊がわかってから言いたかった、サクに余計な不安を抱えて欲しくないから。お腹の子の為にも」
それでも話さなければならないほど、今の状況が困難である事を物語っている。
懐妊してなければ多少の無茶な状況でもルカなら、難なくサクナを護るだろう。
「恵みを与えてもらったんだ。俺はふたりを護らなきゃならない。だから、サクも無茶はするなよ」
ルカは再びギュッと抱きしめてくれた。
「うん……わかってる」
サクナの肩口に顔をのせ、優しくルカはその想いを話してくれた。