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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第15章 誕生祭 ~舞踏会の華たち~ (前編)
「でも、どうするの?」
問題はそこだった。
喜びたいがそうも言ってられない状況。
諸国の人たちが言葉どおり平和を願ってのことなら問題はない。
多少の精神的な無理があるかもしれないが、それは王妃となる上でいつでもありえる状況。
侍女のユイナも言っていた、爵位も持たぬサクナは王妃となってもやっかみを受けるだろうと。
その心構えはしていたが…………
しかし、狙われてると思う心配が精神的に重くのしかかる。子を思うなら危険は回避するべきだ。
「俺は諸国を招待するつもりはなかった。例え、サクが懐妊してなくてもだ。お前を危険に晒すのは嫌だからな」
「うん……心配症のルカだもんね」
「心配だけど……心配ばかりしてられない。俺も強くならなきゃダメだ」
ルカはふっと苦笑しつつも力強い瞳をしていた。