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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第15章  誕生祭 ~舞踏会の華たち~ (前編)


 子の為にも、ルカの為にも護ってあげなきゃ。
 と、サクナも力強く頷く。


「一度上がった不満はほっておくと大きな渦になる。理屈もいい分も最もだ、国王の結婚の儀に参列するのは今までの習わし。招待するのが本当なんだ……」


 祝福は平和の象徴。

 それを祝うことにより、互の国の平和と幸せを祈る。王国との交流は星の平和のためにも、国のためにも重要な公務なのである。


「サクの懐妊を理由に、事情を説明し納得させるのは簡単だ。だけど、それじゃ解決にならない、信用してないと同じことだから」

「平和のためと言われたら何も言えないものね」

「それを利用しようとしているなら…………許されるべき行為じゃない」

 何かあってからでは遅い。
 何もなくても一度抱いた疑心は畏れとなる。

 ルカでなくても最悪の結末を想像してしまうというもの。

「器の小さい者だと罵られるのは対したことじゃない。それでサクを護れるなら甘んじて受ける。お前を失うことよりこわいことはないから」

 
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