この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第15章 誕生祭 ~舞踏会の華たち~ (前編)
子の為にも、ルカの為にも護ってあげなきゃ。
と、サクナも力強く頷く。
「一度上がった不満はほっておくと大きな渦になる。理屈もいい分も最もだ、国王の結婚の儀に参列するのは今までの習わし。招待するのが本当なんだ……」
祝福は平和の象徴。
それを祝うことにより、互の国の平和と幸せを祈る。王国との交流は星の平和のためにも、国のためにも重要な公務なのである。
「サクの懐妊を理由に、事情を説明し納得させるのは簡単だ。だけど、それじゃ解決にならない、信用してないと同じことだから」
「平和のためと言われたら何も言えないものね」
「それを利用しようとしているなら…………許されるべき行為じゃない」
何かあってからでは遅い。
何もなくても一度抱いた疑心は畏れとなる。
ルカでなくても最悪の結末を想像してしまうというもの。
「器の小さい者だと罵られるのは対したことじゃない。それでサクを護れるなら甘んじて受ける。お前を失うことよりこわいことはないから」