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第16章 　誕生祭　~舞踏会の華たち~　(後編)

　ルカにそれを言っても気にするなとしか言わないだろう。だからこそ、他の人にはそれがどう映るのか気になってしまう。

　飾ることのないユイナなら、本心を言ってくれるだろうと。


「陛下は公務を蔑ろにされてるとは思いませんが？　むしろ、気苦労が多くもっと休まれても宜しいかとこちらが心配するほどですが」

「ええ、そうなのだけど…………でも、陛下が舞踏会を抜け出すのは良いことではないでしょ？」

　サクナの心配をよそにユイナはふふっとらしくない笑みをこぼした。

「陛下はいつも舞踏会は途中で帰られますから、姫様が気に病む事はありませんよ。もちろん、舞踏会での公務をきちんと果たされてからお帰りになったと思います」

「いつも？　陛下はいつも舞踏会を途中で抜け出すの？」

　ルカはサクナの躯を気遣ってのことだと思っていただけに少し驚く。

「ええ、陛下は女性に興味がありませんから、舞踏会を楽しまれる事はなかったようです。令嬢たちは残念がっていましたが」


　だから、気にしなくていいのか……
　サクナはルカに迷惑をかけたのではと思っていただけに少しホッとする。