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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第16章 誕生祭 ~舞踏会の華たち~ (後編)

微笑ましい? サクナは仲睦まじくするのは国の安泰になると執事長が言っていたことを思い出す。
いいのだろうかそれで……
サクナとしては人前で恥ずかしくて仕方ないのだが。
でも、ユイナの気持ちもわからなくもない。
ルカが幸せそうにしているのはサクナにとっても嬉しいことだから。
「楽しそうだね、お邪魔してもいい?」
沐浴を済ませた陛下が無花果の間を訪ねてきた。
皆は立ち上がり陛下に一礼をする。
「今日はお疲れ様、みんなもゆっくり休んで」
盛装でキッチリとしていた髪はしっとりと濡れ、寝衣姿のルカはいつものルカだった。
ユイナは再び陛下とサクナに一礼をし、侍女たちと部屋を後にした。
「なに話してたの?」
「あ……いろいろ?」
楽しげに見えた話はつい先程のこと、それまでは深刻な話をしていたのでサクナはいらぬ心配をかけないため曖昧に応えた。

