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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第16章 誕生祭 ~舞踏会の華たち~ (後編)

ルカはソファに腰をかけ、トントンっと叩く。
「ここ、おいで」
ニコッと微笑むルカの元にゆき、隣に座り彼の方に視線を向けた。
「初めての舞踏会で緊張しただろ。お疲れ様サク」
「うん……ルカもお疲れ様」
ルカは小さく頷き、蒼い瞳を細め優しい表情をした。
「サク、明日からの舞踏会は休んでいいから」
「え……でも」
「挙式は休む訳にはいかないから、それまでゆっくりして」
「うん……わかった」
連日行われる舞踏会は挙式の日まで続く。
健康が取り柄のサクナは肉体的に疲れることはないだろうが、なれない舞踏会での精神面を考えてのことだろう。
挙式の前日には、諸国の王たちも集まる。
少しでもその負担を和らげてくれる、ルカの思いやりを素直に受けた方が彼も安心するかも知れない。

