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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第17章 ~久しぶりの再開、そして~
「あ……コレ」
再びサクナが目を覚まし、着替えを終わらせた後ルカと一緒に朝食を食べる。
運び込まれた朝食の中に、サクナの好きな南部地方の特産物の甘い果汁の入った小瓶が置いてあった。
「南部地方に行くといつも俺が買うから御祝にたくさんもらったんだ」
「いつも? ルカもコレ好きだったの?」
ルカは意味ありげに笑う。
そう言えばルカが遠征に行った時お土産に貰ったのもこの小瓶の飲み物だった。
「お前ってやっぱ……飲む?」
ルカは何かを言いかけたが、途中で話を止め小瓶を手に持つ。
ルカがその言葉を使うとき普通に飲ませてもらったことがない。サクナは少し頬を赤らめコクっと頷く。
ルカは小瓶のコルクをとり、グラスに注ぎ「はい」っと、サクナに手渡す。