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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第17章 ~久しぶりの再開、そして~
「美味しい?」
「うん……甘くて美味しい」
「沢山あるから遠慮なく飲んでいいよ」
サクナが再びグラスに口をつけ瞬間────
「俺とどっちが旨い?」
ニコニコっとルカは微笑みながらそれをいう。
サクナは傾けたグラスを口につけたまま、ドキリっとルカを見た。
「んぅ────んんっ」
ルカはクイッとグラスの底を指で押し、無理強いに甘い果汁を飲ます。
「サクはどっちが好きなの?」
くいくいっとグラスを傾け、その都度甘い果汁が口に入ってくる。サクナは気が動転し唇を離すという簡単な事を忘れるほど狼狽していた。
イタズラするルカにサクナは必死にグラスを掴み喉を鳴らしながら入り込む果汁を飲み込む。
「ふぅ、んっ……んく……」
「……あぁ、もう零れてるよ」
ルカはグラスの底に当てた指で零れた果汁を拭う。