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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第17章  ~久しぶりの再開、そして~


 フッと微笑みルカはサクナに口づけをする。
 子供じみた事をするくせに……ルカのキスは、そんなことすら許してしまうほど甘くて優しい。

「果汁の方が好き?」

 キスの合間にルカはわざとらしく訊いてくる。

「ルカの方が……好き」

「それ……一番好きな表情だ」

 啄むように下唇を摘む、うっとりとルカの甘い口づけに心が奪われる。甘い感覚は幸せを感じる。




「コホンっ」

 サクナがルカの口づけに酔いかけたとき、部屋の入口よりわざとらしい咳払いが聞こえた。

 サクナはチラリと薄目を開けると、そこにはケイルとサクナの母の姿があった。


「ま、サクちゃん。朝から仲が良いのね」

「か、母様っ!」

 ジュリアンはふふふっと微笑ましく笑い声を洩らしニコニコっと春のほんわかとした表情をしてふたりを見ていた。

 その隣で無表情な兄の姿がとても対照的だった。

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