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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第17章  ~久しぶりの再開、そして~


「でもほんと兄様いい男なのにもったいない」

 ルカには負けるけど……と、心の中で惚気けつつサクナは母親の血をしっかりと受け継ぎ、久しぶりの家族団らんに和んだ。

「何が、そんなにもったいないだ」

「ふふ、年頃の男の子が一日中家族を護衛なんてもったいないじゃない?」

「そうそう、兄様好きなタイプとかないの? 興味あるな」

 護衛される側のふたりはキャピキャピと人ごとのように話に花を咲かせだした。

「俺のことはどうでもいいだろ」

 やれやれとケイルはため息混じりに呟く。


「でも、元気そうで良かったわ。サクちゃん、いろいろ大変だと思うけどお母さんはいつでもみんなの幸せ祈ってるから」

 
 ジュリアンは祈り姫として王宮に仕えていた。
 王妃としての、そして祈り姫のを苦労をサクナ以上に知っている。

 朗らかな笑で言うその瞳の奥は少し哀愁を漂わせていた。

 ジュリアンもまた色んな出来事を目の当たりにしている。母は多くは語らなかったがサクナは、うん、と頷く。

 
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