この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第17章 ~久しぶりの再開、そして~
「菓子職人に作ってもらう?」
「ん? なんで、サクが作ったんだろ?」
────バレてた……
「こんなに甘い匂いさせて……なに、なんで隠すの?」
ルカはサクナの首筋から鎖骨へと鼻先を擦り合わせ、クンクンと鼻を鳴らしながら言う。
「……べ、つに。隠してるわけじゃ……」
サクナはどもりながら不自然に応える。
「あ……もしかして、もうないとか?」
サクナは返答に困る。
菓子はある、ルカは気づいてないのかサクナのすぐそばに菓子を布生地に包んだ物がそこにある。
サクナは悩んだが、こんなにも要求されるとルカに食べさせてあげたくなる。
普通にお菓子を作ればルカの分も作るのが当然のこと。ないと言えばルカはガッカリするかもしれない。