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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第17章 ~久しぶりの再開、そして~
「サク……」
つい、先程まで幸せそうな表情を見せていたルカは、切なげに彼女の名を呼ぶ。
ふと、ルカはそういう表情を見せる。
愉しげにしていても、嬉しそうな表情を見せるときも、ふと……哀愁を感じさせる。
「これ全部俺が貰っていい?」
「うん……いいよ」
「ありがとサク」
ニコッと微笑み、ルカはひとつクッキーを口に含み、サクナの手からクッキーを包んだ布をとる。
その時には、淀んだ表情はなくルカはまた嬉しそうに笑った。
「ルカ……」
サクナはルカの頬に手を添えるとサラサラの彼のブロンドの髪が指に触れた。
「ん? どうしたの、キスして欲しくなった?」