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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第17章 ~久しぶりの再開、そして~
冗談混じりにクスッとルカは笑を含みながら言う。
「ううん……そうじゃなくて」
笑顔に潜むルカの心情がわからないわけでもない。
彼は最愛の人で、そしてこの国の王である。
和やかな雰囲気からは見えない、その内には計り知れないほどの憂えているのだろう。
「違うんだ、俺はしたいよサク」
愛しげに添えたサクナの手をルカは掴み、指先にキスを落とす。
温かく柔らかな感触が指先から伝う。
手を掴んだままルカはサクナの唇に触れた。
先刻の菓子を摘むように、ルカの体温といつもより甘めの香りが唇に届く。
優しい口づけは、ルカをより感じる。