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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第17章 ~久しぶりの再開、そして~
「甘い香りは幸せを感じる。サクはいつも俺に与えてくれるんだ」
そう、言葉にするルカにサクナも頷く。
彼の哀愁を見たせいか、自分も同じだと気持ちを素直に伝えた。
ルカの和らぐ笑顔が見たくて。
「幸せ……って、お前と居るとすごく感じる、ずっとこんな日が続けばいいのに」
しばし、そのまま見つめ合いルカは、いつもよりやや低めの声で想いを口にする。
哀愁を見せた表情の意図が垣間見える。
彼は、今ではなくその先、未来を見据えていた。
今が幸せだからこそ崩れ去る事に不安を覚える。
陛下は国のため星のために、その未来を描かなければならない。
皆が笑って過ごせるように。
護るべきひとりの女性、それだけじゃない。
陛下はその全てを背負っている。