この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第18章 ~混迷~
「ユイナは戦士だったのね」
サクナはソーサーで傷を負ったユイナの手に自身の手を重ね、治癒術をかける。
「すみません、姫様。ヴァミンが出没するとわかっていたら、剣を用意したのですが」
「森以外でヴァミンが出没するなんて有り得ないもの」
この事態が異常。
しかし、実際ヴァミンはこの場に現れた。
だが、アレはヴァミンなのだろうか、それなら何故ケイルはその気配を感じなかったのか。
「ユイナは気がわかるの?」
「すみません、わたしにはそこまでのチカラは」
気を読む能力をもって生まれるのは稀である。
同じ血を分けた兄妹だが、サクナは淀んだ邪気を感じ払うことはできるがヴァミンの気配は読むことは出来なかった。