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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第18章 ~混迷~
「姫様、ここは危険なのでは」
「……危険に変わりないけど、移動する方が危ない」
気を感じることのできないヴァミンがいつ現れるかわからない。
廊下は狭く、それならまだ見通しの良いここの方が安全かもしれない。
だからこそ、ケイルも動くなと言った。
「それにきっとルカが来てくれる」
ヴァミンの気配はわからずとも、異変には気づいているはず。いつだってサクナのピンチにはルカが来てくれる。
ユイナは「わかりました」と、ソーサーの欠片を布で包みそれを手に持ち部屋をジッと見渡す。