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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第18章 ~混迷~

「母様、あの生物はヴァミンなのかな」

「……わからないわ」

 姿、形は、ヴァミンそのもの。
 しかし、結界の中に現れた、そして、ケイルもヴァミンの気配は感じていなかった。

 でも、目の前に現れたのはヴァミンそのもの。


「……どちらにしても、結界に侵入出来るヴァミンと同じ生物が存在するということは間違いなさそうね」

 サクナは頷く。
 アレが、何なのかはわからない。

 けど、結界の意味が無ければ、この先、人々はヴァミンに怯え過ごさなければならなくなる。

 人々の畏れるエネルギーを糧とするヴァミン。

 不安が畏れとなり、人々の心に邪気を生む。

 そうなれば、星は混迷に落ちてしまう。

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