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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第18章 ~混迷~
────ここ以外もヴァミンが出没しているかもしれない。
結界が意味を持たないとすれば有り得ることだ。
陛下の誕生祭により国中の領主たちが王宮に集まっている。
各地方、領主が不在のなか、サクナたちは知らないだけで、既に星は混沌の渦に落ちているのではと否応にも不安が募ってくる。
その時だった。
「姫様、ご無事ですか!」
嫌な予感は人を惑わす。
部屋に慌ただしく入って来たのは、元、補佐官のミモリだった。
彼女は騎士と思われる男性と一緒だった。
補佐官が何故ここに……
「王宮内、全域にヴァミンが出没しています。今、陛下がその対応に当たっています、ここは危険です。わたしどもが護衛致します宮廷に避難しましょ」