この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第18章 ~混迷~
どんなに混迷しても誰の眼にも明らかだ。
ミモリがこの場に居るのは不自然、サクナの安全を確保するためなら絶対ミモリに頼むわけが無い。
ましてや、自主的に助けに来てくれたとは到底思えるわけもない。
サクナたちの明らかな警戒する様子をミモリは軽く笑った。
「やはり……信用は得られませんか」
騎士は剣を抜きサクナたちに向けた。
驚きは、なかった。むしろ、やはり……と、サクナたちはミモリを見る。
「大人しく従えば手荒なことは致しません」
「何が目的なの……?」
「説明不足でしたか? 抵抗するなら、この者たちの保証は致しかねますが」
この者たちとは、サクナ以外を指した言葉。
その言葉に信憑性は持てないが、妬みや復讐でサクナを狙うならこの場で斬り捨てればいい。
混乱に紛れ、わざわざ嫌がらせをしに来たとも思えない。
ミモリの目的は知らないが、彼女はサクナを何処かに連れていくつもりのようだった。