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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第18章 ~混迷~
騎士を拘束していたユイナもヴァミンの出没に、その手を離さざる負えなかった。
次々と渦より現れるヴァミンは、ヴィストーターとユイナに襲いかかる。
「こい」
ユイナの手から逃れた騎士はサクナの腕を掴み引っ張る。
「離してっ!」
「姫様、抵抗はお辞めください。大事なカラダなのですから」
先ほどの焦りなど忘れたかのようにミモリはこの状況下のなか言う。
それが、サクナにとって異様な光景に見えた。
サクナにヴァミンが迫ったのは初めだけだった。
まるでヴァミンに意志でもあるかのようにサクナたちの周りだけヴァミンが襲って来ない。
そして、この状況に冷静になれるミモリが不思議で仕方ない。