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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第18章 ~混迷~


 そして、次々と出没するヴァミンも異常としか思えない。今朝方、母のジュリアンは王宮を訪れる前に祭壇にて祈りを行った。

 加え、サクナとジュリアンは謎のヴァミンが出没したと知り邪気を払う祈りをずっとしていた。

 結界だけではなく祈りすらも意味が無いのか。


 しかし、そうではなく。
 このヴァミンがそもそも異常であり、似た別の生物だとすれば。


 有り得ない……が、それが頭をよぎる。



 ミモリが何かを企んでいるのは明らか、何のためかは依然ハッキリとわからないが。

「これは……あなたたちの仕業なの」

 騎士の男に腕を引っ張られサクナは無理強いに歩かせられながら問う。

 突如、王宮を襲う謎のヴァミンに似た生物、その混乱の中現れたミモリ。

 その全てが、彼女の仕業だとしたら……

 術者といえど、ヴァミンを操るなど聞いたこともないが、異様な光景も説明がつく。


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