この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第18章 ~混迷~
どんな仕様かは知らないが星に寄生する最も厄介な生物、その擬似ヴァミンを操り私怨の為にここまでするのは余りにも畏れ多い。
ヴァミン自由に襲わせる事が出来る、サクナたちだけの問題ではなく、もはやミモリは星の危険人物でしかない。
サクナは舞踏会で出会ったミモリの母の言葉を思い出す。
思い込んだら猛虎猛進なところがある、と。
だとしても、やりすぎではないか。
こんなことをすれば、ミモリだけの問題では済まなくなる。あの、優しそうだった母も、そして、ルカの叔父である公爵もその責を問われるだろう。
「みんなから望まれるあなたには、一生わたしの気持ちなどわからないでしょうね」
望まれる……?
陛下の想いを言っているのだろうか、ミモリはだからサクナを捉えルカから引き離そうとしているのだろうか。