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第18章 ~混迷~

　ミモリの気持ちは一生わからない気がした。

　本来ならサクナはこのような問に肯定することはない。自身も講釈を垂れるほどてきた人ではない。

　だが、どんな理由があろうとミモリのする事は理解不能、人として間違っている。


「ええ、わかりたくもないわ」


　ミモリは「でしょうね」と、呟き小さく苦笑した。だが、直ぐに表情を変え力強い眼を向けてくる。


「ヴィストーター様。姫様をコチラに」

「素直に従うとでも？」

　ヴィストーターは、サクナから離れる意志がない事を示すかのように後ろから抱きしめる。

「わたしにはもう時間がありません。不本意ですが、抵抗するなら……容赦しませんっ！」

　ミモリは腕を伸ばし一同が驚くなかサクナたちに術を放った。

　だが、それはジュリアンの障壁で防がれる。
　そして、再び腕を振りかざす。

「正気か……？」

　ヴィストーターは、サクナより離れミモリの腕を掴みそれを阻止する。

「単純……ですね。ヴィストーター様」

　ミモリはそうなるとわかっていたのか、ニッと口角をあげ、ヴィストーターに術を放つ。

　ヴィストーターは、ぐっ、と呻き声をあげ、その場にしゃがみ込見込み倒れた。