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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第2章  ~愛してるって言って?~

「サク、ひとつになろ?」

 サクナはコクっと頷く。
 断る理由など既に皆無だった。
 本能が目覚めた、理念も自制心も失い、背徳の心すら脱ぎ去る。

 サクナは知らなかった。緋色の瞳が炎を宿していた事に。きっと、ルカが言わない限り知らないままなのだろう。サクナもまたケモノであることを。

「全部脱がしてもいい? サクと肌を合わせたい」

「うん…………熱いしいいよ」

「肌を合わせたほうが熱いけどね」

 ルカはクスッと笑い、サクナを起こす。
 スカートの留め金を外し、サクナを抱き上げスカートを脱がす、そのままドロワーズも脱がしてしまう。

 さすがにサクナも羞恥を思い出す。

 上衣も脱がされサクナは一糸纏わぬ姿となる。

「やっぱり可愛いなエロいけど」

「恥ずかしいからそう言うこと言わないでよ」

「そういうところが可愛いの、照れてるサクは…………」

 ルカはその先を言わず、自身の服を脱ぎ捨てサクナを抱きしめた。

「熱いだろ?」

「うん…………でも、気持ちいいね」

 季節は春、日が落ちた夕暮れ時は涼しく、合わさる互いの体温が心地よい。官能な気持ちよさもいいけど、こう言う安らぐ心地よさもまた良い。

 肌を合わせるだけで幸せを感じる。

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