この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第18章 ~混迷~
「……ダメだ。サクナ……」
ヴィストーターは、かた膝をつきサクナの手を掴む。
「しつこい男は嫌われますよ、姫様はお優しい方、あなたのために犠牲になってくださるのです」
どこまでが、彼女の思惑通りに事が進んでいるのか、こうなることさへ予測しているかのような言い方だった。
「さあ、姫様……手を離せと命令してください」
サクナは息を吐きだしヴィストーターを見据える。
自分を助けるために、懸命な瞳を向けるヴィストーターに……
「離して下さい」