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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第19章 ~歪んだ愛慕、愛執は星を狂わす~
「お前の目的は、やはり俺を失脚させることか?」
「いいえ……違います。今更何を言っても信じてもらえないでしょうが……わたしは陛下を信頼しています」
どんなに言葉を重ねても反逆したことに変わりない。ミモリは覚悟の上で事を起こした。
今更、陛下に取り繕うとしても無駄だな事も知っているだろう。
陛下への裏切りは身の破滅、しいては家の破滅でもある。わかっていながら、それでもなお彼女を動かした何かが存在する。
この場において、ミモリの言動は未だ不可解を残している。彼女の言葉が真実ならば…………
それは、大きな矛盾が生まれる。
コスモ国と繋がり、陛下への反逆を企てていたのならむしろわかり易い。
だが、ミモリはそれを否定した。
スオウの目的は、祈り姫を手に入れその力を使いリキマシア国を攻めることにある。
まだ、彼女には見えない秘密が残されている。