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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第20章 ~過去から未来へ~

「そんなわけないでしょ……そんな事言わないでよ」
「うん……わかってる。けどさ、どうしようもないんだ。失いたくないと思うほど、それが頭をよぎるんだ」
……誰もが心にもつ闇。
それは、サクナにもある。
前陛下は、祈り姫を護るために罠と知りながらも近侍であるセシュルドを村に救援に向かわせた。
今は、その意味も前陛下の想いもわかっている。
だけど、父が陛下の傍を離れなかったら……
シーボルディ家は、そのせいで王族や貴族に疎まれる存在となった。
けど、ルカはそれをサクナのせいだなんて思ってもいない。
それでも、頭によぎってしまう。
自分のせいで……前陛下は……と。

